まいたけ見聞録

脳菌なので世の中のことはよくわかりません

赤ちゃんは生まれつき正義感を持つ?

 

このほど生後6か月の赤ちゃんが生まれつき「正義感」というものをそなえているのでは?ということを示した論文が発表されています。

善悪の概念や正義感というものが、遺伝的に生来的に受け継がれているのか、あるいは親などによる教育によって学習されるものなのか、今までよくわかっていなかったようです。

www.nature.com

この正義感というものを確かめるために2種類のアニメ動画を赤ちゃんに見せています。

 

どちらの動画でも青いキャラクターが黄色いキャラクターに体当たりをしています。

一方では緑色のキャラクターが登場し、間に入って攻撃を止めています。

もう一方の動画ではオレンジ色のキャラクターが登場しますが、攻撃を止めずただただ傍観しています。

それぞれの動画を4回ずつ生後6か月の赤ちゃん20人に見せました。その後、緑色のキャラクターとオレンジ色のキャラクターを赤ちゃんに見せたところ20人のうち17人が攻撃を止めた緑色のキャラクターを選んだようです。

他の実験と合わせて、単に色の好みではなく(1)攻撃者と被害者の力関係、および(2)両者に対する傍観者の行動・意図、を理解したことが言えるそうです。

 

もし人間に本来的に正義感というものが備わっているとすると、正義感をつかさどるような遺伝子が今後見つかるかもしれません。

あるいは遺伝的に近い他の霊長類でも同様に正義感を持っている可能性が示唆されます。

例えば群れの中で順位を持っているような霊長類の仲間では、いわゆるボスが群れの中での争いを収めたりするような場面がみられることがあります。またボスが集団内の争いそのものを減らす役割を果たしているようです。社会を円滑になりたたせるためにこのような正義感が長い年月にわたって重要な働きを果たしてきたのかもしれません。

 

べつの研究ですが、1歳半の幼児は他人を気遣うことができるそうです。

1歳半の赤ちゃんは「他者を気遣っている」 九州大学研究グループが発表 | 大学ジャーナルオンライン

こちらの研究によると、画面にうつる2人のうち片方が幼児の方に視線を向け、もう一人が視線を向けていない場合、幼児は視線を向けていない(存在に気づいてくれていない)人にすばやく視線を向ける傾向があったようです。

大人が当たり前にやっていることが成長の段階でどんな過程で身につけられたのか、考えてみるととても興味深いですね。。。。