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まいたけのブログ

個人的に面白いと感じたことをちょっと調べて紹介したいと思います。専門家ではないので明らかな間違いなどあればお知らせください。

身長は80%遺伝で決まる!一つの遺伝子の違いで最大2cmの影響があるらしい

これまでの研究から人の身長を決定する要因の80%以上があらかじめ遺伝子によって占められていることが明らかになっていたようです。

生まれた後の環境が身長に与える影響はたった20%程度しかないということになります。

環境には栄養条件や汚染環境、睡眠などが含まれるようです。

「たくさん牛乳を飲めば背が伸びる!」

「よく寝れば背が伸びる!」

「鉄棒にぶら下がれば(一時的に)背が伸びる!」

、、、、、などは間違っているとは言えないと思いますが、コントロールできる量はあらかじめ制限されている、ということになります、、そう言われるとちょっと悲しいですね。

今回 紹介するのは最近Natureに掲載された身長に関する大規模な研究です。

 

Boston Children's Hospitalなどを含む5大陸で300人以上が関わっているGIANT (The Genetic Investigation of ANthropometric Traits:人体計測的特性の遺伝的調査) コンソーティアムというグループの70万人以上を対象とした国際的な遺伝子に関する調査によって、身長に影響を与える多くのDNA変異が新たに明らかになりました。

これまでのGIANTなどの研究によって、身長に影響を与えるようなDNAの変異は700種類ほど見つかっていましたが、身長に与える影響が~1mmほどの影響しかなかったり、タンパク質を作る遺伝子の外側に変異がある場合も多く、どの遺伝子のどのタンパク質が関わっているか特定するのは難しかったようです。

そこで今回用いられたのがExome Chip法という技術でエクソームシーケンスとも呼ばれているようです。DNAの中で2%程度を占めているタンパク質を作る指令を出す領域、エクソームのDNA塩基配列を読み取ることでDNAの変異を調べることができます。すべての配列を読み取らないのでコスト面でも効率的で、がん研究などでも用いられているようです。

このExome Chip法によって新たに83の身長に影響を与える変異が見つかりました。そのうち24の変異は身長に1㎝以上の影響を与えることもわかりました。

変異をもつ確率について、51の変異は「低頻度(5%未満)」、32の変異は「レア(0.5%未満)」と見積もられています。

この発見によって身長に影響を与える遺伝要因の27%ほどが説明できるようになったと推測されているようです。(これまでは20%ほどだった。)

 

例として、STC2という遺伝子は、2種類の変異体が知られており、変異体を持つ人は1000人に1人の割合(0.1%)で存在します。これらの変異体を持つ人々は、平均して身長が1〜2cm高くなっていました。オーフス大学デンマーク)のTroels R. KjaerとClaus Oxvigによるさらなる研究により、変異体は血液中の成長因子の利用可能性に影響を与えて身長に影響を与えることが示唆されています。

 

変異は骨格の成長にかかわる遺伝子や成長ホルモンの分泌などにかかわるものが多く見つかっており、まだ機能が分かっていないものも見つかっているようです。GIANTコンソーシアムはすでに200万人以上を対象としてさらなる研究を進めているようです。

 

最後に、話が変わりますがダックスフントの足が短い理由も遺伝的変異によって説明できることが明らかになっています。

ダックスフントの足が短くなったのは、巣穴にいるアナグマをとらえるために足の短いイヌが好まれたためで、ブリーダーによる品種改良のたまものということになります。足を短くさせた変異としてFGF4のコピーが知られています。FGF4は軟骨が成長するにつれて増加し、軟骨の成長を抑えるブレーキの役割を持っているのですが、ダックスフントではこのFGF4遺伝子がコピーされて2つもっているため、足の軟骨が成長しきる前にブレーキがかかってしまい、成長が止まってしまいます。たった一つの遺伝子がダックスフントを特徴づけるほど大きな影響を与えるのは本当に驚きですね。