まいたけ見聞録

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滋賀で生態のよくわからないヒトエグモ初確認!クモっていつ誕生したの?

滋賀県甲賀市(コメント頂き修正しました。)の民家で、ヒトエグモが滋賀県内で初めて見つかったそうです。

ヒトエグモは日本及び韓国に生息しているとされ、日本では京都府京都市)、大阪府大阪市堺市河内長野市松原市豊能町)、奈良県兵庫県静岡県の2府3県で採集か確認がされていたようです。兵庫から静岡、あるいは韓国で見つかっていることからおそらく広い範囲に生息することが予想されますが、今回の発見はその地域間のギャップを埋めるように滋賀県で新しく発見されました。

 

 

寺院や民家の屋内であったり、墓石のすきま、積み重なった瓦のあいだなど人が生活しているような場所で確認されており、新しい建造物からは見つからないようです。採集例が少なく、どのような生活を送っているのか、その生活史はいまだ謎に包まれています。

ヒトエグモですが、体長は5~8㎜で、腹部が押しつぶされたような形をしていてクモの中で最も扁平な形をした種類とされています。背中の厚さは1㎜程度しかないようです。

 

京都府レッドデータブックによると

 日本蜘蛛学会は本種を環境省絶滅危惧種IAとしてレッドデータブックに登載するように提案したが、屋内性の動物はその対象にならないとして、登載されなかった。しかし、屋内にだけ生息するわけではなく、採集例がきわめてまれであることから、京都府絶滅危惧種とした。

 とされているように、生息が危ぶまれているようです。

 

ちなみにクモについてですが、クモは昆虫などを含む節足動物に属し、系統的にダニやサソリに近い種とされています。日本に生息するクモだけでも少なくとも64科1500種ほどが知られており、世界では115科見つかっています。

クモの歴史はかなり古く、化石を見てみると3億8500万年前に生きていたuraraneidと呼ばれるクモに近い仲間は糸を作ることはできるものの、出糸突起をもたずクモの巣は作れなかったことが分かっています。

3億500万年前の石炭紀に発見されたIdmonarachneは腹部に今のクモには見られない節が見つかっており、また同様にクモの巣をつくることができなかったと推測されています。

古いクモ類はすべて地中性だったようです。

現在ではクモの進化の順番について、ジグモのような地中性のクモからオオヒメグモのような不規則な網を作るクモが生まれ、次にジョロウグモのように円形の網を作る系統がうまれ、その後いくつかの種が網を捨てて徘徊性のクモとなったと考えられています。

ちなみに上記のヒトエグモは徘徊性のクモとみられているようですね。